同人イベントの2026年上半期を振り返ってみるよ

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いつもお世話になっております。あのアレどこ管理人の仲村です。

今回は赤ブーブー通信社・コミックマーケット・コミティアなどの国内の大規模同人イベントの2026年上半期時点の現在について、グラフを元に振り返ってみようと思います。

基本的には同人活動している人や関わる人たちなら「なんとなく見聞きして知っていること」を整理するつもりで書いています。本記事で世の同人イベントの全てがわかるわけでも、特定イベントの全てがわかるわけではありませんが、一つの見解としてお読みください。

本記事で前提となる用語の説明は、2025年年間振り返り記事を参照してください。

令和6年能登半島地震の支援のお願い

筆者は石川県を生活拠点としております。2年前の地震当日は、隣の富山で震度5強を受けました。

筆者自身は幸いなことに大きな支障なく生活できていますが、しかし震源地に近い奥能登や能登半島の地域では、2年以上たった今も道や建物が倒壊したままの地域がまだまだ残っています。皆様には継続的なご支援をお願いいたします。

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ここから本文です。


赤ブーブー通信社イベント 2026年上半期動向

まずは赤ブーブー通信社イベントの状況です。

最初に上半期全体のデータを見ていきましょう。下記グラフの集計対象は1月から6月に開催されたイベントです。

開催日開催地イベント名サークル数
01/11大阪SUPER COMIC CITY関西 319,068
01/25東京TOKYO FES Jan.20264,609
02/01東京VALENTINE ROSE FES 2026 -day1-9,663
02/08東京VALENTINE ROSE FES 2026 -day2-12,355
02/23福岡COMIC CITY 福岡 632,080
03/20東京HARU COMIC CITY 3510,865
03/29大阪OSAKA FES Mar. 20262,687
05/05東京SUPER COMIC CITY 33 -day1-9,632
05/06東京SUPER COMIC CITY 33 -day2-11,294
05/31大阪SUPER COMIC CITY 33 -day3-4,114
06/21福岡COMIC CITY 福岡 641,896
06/28東京星に願いを 2026 -day1-11,300

サークル総数でみると、昨年から1万サークル以上増加しています。

ただし留意点として、今年2月には「VALENTINE ROSE FES」が2日間開催されましたが、2025年の「VALENTINE ROSE FES 」は1日開催のみで、さらに2024年12月開催の「DOZEN ROSE FES」と分散開催でした。つまり2025年と2026年のデータを比較すると、1万サークル規模のイベントが日程の関係で2025年に含まれていません(それらを差し引くと、今年上半期は前年比で横ばいか微増とみています)

下半期には再び12月に投票型イベントの「DOZEN ROSE FES」が予定されています。前回規模を参考とし他イベントも加味すると、サークル数は通年で前年比増となると予想しています。

イベント別のサークル数推移

次に、各イベント別の分析です。こちらは7月までのイベントも含んでいます(理由は後述)

以下では上半期の主要イベントの推移を見ていきましょう。

1月コミックシティ大阪

昨年久しぶりに1万サークルを超えましたが、今年は若干規模を落としました。ただ、コロナ前をみるとだいたい9000~1万サークルを推移しているので、おおむね平常時の動きかなと思っています。

冬季投票型CPイベント

こちらは「東京開催」「投票型イベント」「12月~2月期」のものを独自にグルーピングしたものです。

(2024年のグラフは、2025年2月「VALENTINE ROSE FES 2025」と2024年12月「DOZEN ROSE FES 2024」を合算したものです。もともとは2024年のイベントとしてサークル募集しましたが、応募量を鑑みて分散開催されたという経緯があるため、ここでは2024年イベントとして換算しています)

もう1点、以下は同イベント内で開催されたオンリーイベント数の推移グラフです。本イベントは「投票型」という性質上、開催されたオンリーイベント数も参加者の潮流が反映されていると考えられるため、参考値として記載します。

今年の冬季投票型は「VALENTINE ROSE FES 2026」を2日間開催しており、サークル数・オンリー数ともども昨年から増加しています。特にオンリー数は前年比約140%と大きく増加しています。増加した理由としては、前年までの投票型イベントの盛り上がりを見て、投票チャレンジしたジャンルが大幅に増えたためではないかとみています。

なお来年の「VALENTINE ROSE FES」は1日開催ですが、代わりに年内12月に「DOZEN ROSE FES」の開催が予定されています。今回は両イベントの投票もサークル応募も別で募集されており、比較的時期が近いタイミングで投票型を開催したときに、どのような動向が見られるのか注目しています。

HARUコミックシティ

3月開催の大型オールジャンルイベントですが、コロナ後のここ数年のサークル数は減少傾向です。時期的に、1か月前には投票型のVRFがあり、1か月と少し後にはスパコミもあるためか、なかなか大きな伸びができていない印象です。

一方で、現在のHARUコミでは「作品単位」の投票型オンリーイベントが併催されており、そちらも見ていきましょう。青グラフは全体のオンリー合計数で、赤グラフはそのうち投票型ジャンルオンリーの数です。

見ての通り2024年以降はオンリーイベント数が4倍近くに増加し、さらにその5割は投票型作品オンリーが占めるようになっています。サークル数ではなかなか大きな伸びはないのですが、投票オンリー数は徐々に増えており、オンリー開催の選択肢として選ばれているようです。

5月スーパーコミックシティ東京

今年のスパコミは前年から微増もしくは横ばいでした。コロナ渦後はなかなかサークル数が不安定でしたが、こちらも開催オンリー数および投票オンリー数はかなり大きく増えています。

夏季投票型CPイベント

こちらは「東京開催」「投票型イベント」「6月~7月期」のイベント群です。

今年は僅かながらにサークル数・オンリー数の減少が見られます。

この時期のイベントは、イベント参加者以外にも大きな話題になった2024年のJBFから、2025年で2日開催として分散され、今年もほぼ同じ形式で開催されました(ただし2日開催といってもスパコミのような連日開催ではなく、1~2週間ほど間を置いた形式です)

今回やや減少した要因として、以前と比べると投票型CPイベントの開催数や開催地域も増えており、サークルが各所に分散しているのではないかと想像しています。

所感:投票型イベント(作品もCPも)の定着

1月・3月・5月に定番の超大型イベントがあり、2月と6/7月に投票型CPイベントが開催されるというスケジュールもすっかり定着してきたように思います。特に投票型CPイベントは、参加者の中で本気度の高いイベントとして認知されているように感じています。

と考えるとうっかり「投票型CPオンリー」を中心に考えてしまいますが、今回追加したグラフを見たとおり、オールジャンル内で開催されている「投票型作品オンリー」もめきめきと開催数を増やしています。イベント内で開催されているオンリーでは、約30~50%は投票型で占められているような状況です。

作品オンリーはCPオンリーと比べて開催までに必要な投票数が少なく、中小ジャンルが集まる良い機会になっているようです。

イベントの特色として考えると、CP単位でも一定以上のサークル数を見込める大ジャンルは投票型CPオンリーに集中し、中小ジャンルはHARUコミやスパコミなどの大規模オールジャンルに集まる、という差別化が進んでいる、とも考えられます。

いずれにせよ、単位は違えど「新刊カードによる投票型」と「オンリーイベント」形式がベースとなっており、これらが現在の赤ブーイベントのトレンドであるといえるでしょう。

筆者個人としては、これらの循環的な開催システムは参加者の熱量を短期的に集めて盛り上げるには効果的ですが、これが中長期的に続くシステムかどうかは懸念があります。

特に今年からは本格的に投票型イベントの開催数が増えており、参加者は「投票するにしても、そもそもどのイベントに投票するか?」と選択が生じているような状況です。長く見ていくと投票型イベントであっても選別されていき、必ずしも拡大するばかりではなくなっていのかもしれないな、と思っています。

国内イベントの動向について

ここからは赤ブー以外の国内イベント動向にも触れていきたいと思います。

以下で挙げるのは、筆者がたまたま目について注目したものであり、同人文化全体からすればごく一部です。全ての動向を網羅できるわけではありませんが、現代の一参加者の視点として参考程度にどうぞ。

コミックマーケット

まずはやはりコミックマーケットから見ていきましょう。以下は2025年冬コミ(C105)までの参加者グラフを公式サイトから引用しました。

コミックマーケット年表・参加者推移 2026年7月13日分)

参加サークル数では東京オリンピック・コロナ渦以降は2万~3万サークルを推移しており、一見で大きな増加はないようにみえます。しかしアフターレポートを見ると、申込数が増加しているようです。

我々の予想を大きく上回る3万数千スペースというコロナ禍後最高のサークル申込をいただきました。
コミックマーケット107アフターレポート

何度か過去の記事でも触れていますが、2025年から2027年3月までは会場の東京ビッグサイトは大規模な改修工事をしており、特に昨年から今年にかけては東館の半分を使えず、赤ブーもコミケも含めた利用イベントは大きな制限を受けています。

「東京ビッグサイトを使うイベント」としても国内トップクラスにあるコミックマーケットはもちろんその影響を多大に受けており、申込数が増えても配置サークル数を増やせない、という状況にあります。

こういった背景を鑑み今年2026年冬コミでは久しぶりの3日開催になりました。

コミックマーケット109(以下、C109と略します。他の会期も同様です)は久しぶりの3日間開催を決め、日程発表についての準備等も整いましたので、ここに皆さんにお伝えいたします。
コミックマーケット109の日程について

ただし来年以降は二日開催に戻るとのこと。ようやくまた全16ホールを使用できることもあり、過去事例を鑑みると約1万5千サークル/日の配置ペースになるのではないかと見込んでいます。

なお、大規模改修工事が一応終わった後の2027年度は、再び全16ホールでの開催となることを考えますと、3日間開催については、一旦はこの冬のみの対応とし、今後については、サークル申込数の推移を見て、改めて検討していきます。
コミックマーケット109の日程について

2019年ごろから始まった東京ビッグサイト問題が、コロナ渦という超イレギュラーを経由しながらも、ようやくひと段落つくのだと思うと感慨深いものがあります。

一方で、コロナ渦後も徐々にサークルを増やしているコミックマーケットですが、それでもコロナ前のサークル規模を超えるほどではありません。公開されている範囲の記録では、2018年の夏冬が3万5千サークルを配置し、2017年12月のC93のアフターレポートでは「申込サークル数4万2千」とあることからも、申し込みベースではまだまだ開きがあるようです。

これは赤ブーイベントの集計をしていても感じることですが、コロナ渦という世界的災禍に見舞われた後、大きなイベントほど「それ以前」に戻ることが本当に難しいのだと思います。

とはいえ、楽観的に考えるなら、来年以降のコミックマーケットに関しては、会場が増床し配置サークルが増えたことでサークル当落率が緩和されたなら、当落率の高さで躊躇していたような層も「それだったら参加しようかな」と申し込むことも考えられるでしょう。

来年以降の動向が非常に楽しみです。

コミティア・J.GARDEN

次はコミティア(東京)とJ.GARDENです。どちらもオリジナル同人に限定した長寿オンリーイベントです。二次創作とは趣が異なりジャンル単位でダイナミックに変動することは少ない分野ですが、常に参加者のいる分野なので同人文化全体の盛り上がりを図るのに重要な指標になるイベントです

まずはコミティア。1980年代から続く赤ブーとも並ぶ長寿イベントですが、今回は直近約10年分の推移をグラフ化しました。

基本的には年4回定期開催しており、2010年代前半からは開催ごとにゆるやかにイベント数は増加していましたが、コロナ渦で開催数を減らしました。しかし2024年には早々にコロナ渦前の規模まで戻り、今年6月には「歴代第2位」の開催規模となりました(参考・アフターレポート

次はJ.GARDENです。創作JUNE、BL作品中心のオンリーイベントで今年30周年を迎えます。グラフでは初回からグラフ化しました。

年2回を定期開催としており、こちらも2020年には極端に規模を落としていますが、2024年には大きく回復し、昨年は歴代最高のサークル数を集めました。長らくはサンシャインシティを会場としていたイベントでしたが、近年では東京ビッグサイトに会場を移し、それに伴ってか大きく規模を延ばしているようです。

コミティアもJ.GARDENもいわゆる「コロナ明け」のあった2024年ごろには早々に以前の規模に戻し、現在も拡大傾向にあります。

その背景としては、もちろん両イベントの長年の活動による知名度向上や、サークルからの信頼を得ていることを大前提としつつ、会場としているビッグサイトの配置上限に達していない、という点も考えられます。

赤ブーもコミケも1日1万を超えるサークル数を抱えており、使用しているビッグサイト館をみると「これ以上増やすことが難しい」という規模です。コミケは基本的に全館使用しており、赤ブーはイベントによっては同日開催の別イベントもあり容易に増やせない、ということはあるでしょう。

さらにここ2年は改修工事の関係で全館使用ができず、結果コミケは開催数を増やす方向で対処している状況です。

一方でコミティア・J.GARDENは最大でも数千サークル規模です。前述のイベントと比較してではありますが、まだまだ拡大できる余地があるとも考えられます(実際には、容易ではない調整や予算がかかるので「簡単」というわけではないです)

さらにいうと、これは筆者の体感ですが、以前よりも「超大規模イベントへのサークル一点集中」傾向が同人分野全体で弱くなっており、その代わりに「各々で興味あるイベントにサークル参加する」傾向が強まっている肌感があります。その中でもこの2イベントはそれらの受け皿としてうまく機能しているのではないかな、と思っています。

その他のイベント群

簡単ではありますが、筆者が気になったイベントも見ていきましょう。

これらはあくまで筆者が目に付いたイベントであり、同人イベント全てを調査しているわけではありません。ほかにも大きく変動したイベントも多数あると思いますが、あくまで一個人の調査範囲であることはご了承ください。

まずは文学フリマ(主催・文学フリマ事務局)

今年はゴールデンウィークの東京ビッグサイト開催で、実はスパコミ前日に開催されました。少し前までのGWのビッグサイトというと、スパコミ・コミティア・スタジオYOU・ゲームマーケットの印象が強かったですが、近年はコミティアが6月開催になったり、代わりに他イベントが開催されたりと大きく顔ぶれが変わっています。その一角が今回の文フリです。

文フリに話を戻しまして、今年5月の(スペースに該当する単位である)ブースは4000を超えています。全国各地で開催しており、さらにライターや作家業とも親和性の高いイベントでもあるので、近年はメディアでも名前を聞くことが多くなってきたイベントの代表格ではないかと思います。

文学フリマ東京42 – 2026/5/4(月祝)
出店 3,509出店・4,082ブース (※直近キャンセル含まず)
来場者数 18,689名(出店者: 5,619人・一般来場者: 13,070人)

公式サイトより https://bunfree.net/event/tokyo42/

次は#にじそうさく(主催・FL準備会)

こちらはバーチャルライバーグループ「にじさんじ」の二次創作イベントです。近年、同人分野でも目覚ましく拡大しているVtuberジャンルですが、コミケや赤ブーといった大規模オールジャンルとは独立しながら拡大し続けているイベントです。

2024年から会場を東京ビッグサイトに移し、今年は7000サークルを超えるイベントとなりました。

他のオンリーイベントと比較すると、現在のコミティアが4000~6000サークル、二次創作では東方Projectイベントの代表格である博麗神社例大祭が今年6月に2300サークル(公式サイトより)だったので、2026年現在国内最大級オンリーイベントの一つであるといっていいでしょう。2027年も開催が予告されており、今後も注目のイベントです。

(公式サイト https://nijisanji.familiar-life.info/ の配置スペースリストから数値を取得しグラフ化)

終わりに

今回の振り返りは以上です。

同人分野は「人」の流動性が高く、ジャンルやイベントも常に参加者は入れ替わりながら続いています。その結果、特定のイベントだけを観測していてはそれらの潮流がわかりません。そんなわけで、自分の見解や見聞きした範囲で定期的に情報をまとめることも、今後の集計の役に立つかもと思ってこの記事を制作しています。

拙い内容ではあるものの何かの参考になっていただけたら嬉しいです。できれば他の発表をしている人にも目を向けてもらえたり、なにより「自分から見た同人分野とはこれだ」と新たに発表する人が増えてくれたら、同人分野全体での意見や資料の交換となって嬉しいな、と思っています。

特に、今回の記事を書くにあたって、把握はしているがどうしてもリソース不足で記載していないイベントは数多くあります。「あのイベントは?」と感じた方は、ぜひご自身で調査し、公表していただければと思います

この記事のあとがきをnoteで公開しています。この記事を書くにあたって参考にしたオンライン資料をまとめていますので、興味ある方はこちらもどうぞ。

上半期振り返りのあとがき|あのアレどこ
あのアレどこを更新しました。 同人イベントの2026年上半期を振り返ってみるよいつもお世話になっております。あのアレどこ管理人の仲村です。今回は赤ブーブー通信社・コミックマーケット・コミティアなどの国anodoko.net いつもやってるよ…

最後に、今年上半期にはコミティアの創設者である中村公彦氏の訃報がありました。筆者自身、コミティアには何度もサークル参加しており、直接お会いしたことはありませんがご著書を通じて親しみを感じておりました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

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