夏コミ前に公開された「同人会計レコーダー」(スマートフォンのブラウザからアクセスしてください)を、実際にイベント参加した折に使った感想を交えて紹介します。
レジアプリはいくつか試したことがありましたが、同人会計レコーダーはパッとみて「見た目きれいでいいな」と思っていましたが、実際には見た目以上に即売会で使える機能が多く助かりました。
そんなわけで実際にイベントで使ってみた感想と、おおまかな使い方などをまとめました。
どんなアプリなの?
同人誌即売会に特化したレジアプリはすでにいくつかありますが、こちらは今年8月にリリースした比較的新しいアプリです。
アプリをインストールして使うのではなく、所定のURL(同人会計レコーダー)にスマートフォンのブラウザからアクセスすることで使用できます。
おおまかに、
- 代金計算
- 会計記録&ターゲット調査
- CSV書き出し
- 複数人編集
の機能を備えています。
このアプリは「一人で使うならオフラインでも使える」ことを前提に設計されており、サーバーでのデータ保存などは一切行っていません。
複数人編集においても、データをサーバーに保存せずに実装しています。とりあえず試してみたいという方は、[CONFIGからダミーを入れる]を押してから始めてください。
(同人会計レコーダー(仮)について – matsurai.log()より引用)
テキストで使い方を読みたい! という方はリンク先をどうぞ。詳細な使い方がまとめられています。
使ってみてどうだったか
というわけで、ちょうど8月21日の「スーパーコミックシティ関西23」にサークル参加予定だったので早速実際に使ってみました。前日に頒布物を登録し、当日は二人でスペースにいたので複数人編集をONで利用開始。
なにがびっくりするって、複数人編集を使うと「スペースにいなくても売れ行きがリアルタイムにわかる!」ことです。
入力後は即時同期されるので、例えば買い物に出ていてスペースの様子がわからなくても「あ、これが売れたのか」「いまたくさん人がいるのかな」などとスマホを見るとすぐにわかる! この体験はかなり新鮮でした。
ただ現地で少し困った点として、前述の解説にもある通り基本的にはネットワーク接続を必要としないアプリですが、複数人編集のみネットワークを介して行われるため、この機能を使ってるときに現地のネットワーク状況が悪いとうまく同期されない可能性があります。その場合でも入力した側のブラウザにはデータが残っているので、ネットワーク環境の良い場所で改めて上書きすれば売り上げデータの同期ができました。
もちろんレジアプリとしては、ぽんぽんとタップし、アプリ画面で計算された売り上げを把握し、ログをCSV出力すればその日の清算完了という、イベント後の行動まで効率化されて非常に優秀です。
操作方法の補足
同人会計レコーダー(仮)についてを参考に、日常的にスマートフォンアプリに慣れている人なら使えると思うのですが、使ってみて「ここはあらかじめ知っておいた方がいいかも」と感じたところを解説していきます。
こちらは16年8月28日時点の機能をもとにした解説ですので、今後アップデートに伴い変更になる可能性があります。先にご了承ください。
ブラウザを閉じても頒布物のデータは残る
スマートフォンブラウザから使うアプリですが、ページを閉じたり、ブラウザごと閉じてもデータは残っているので、うっかり操作してしまっても大丈夫です。
ただしブラウザ内のすべてのデータを削除するとデータは削除されます。
また、登録したブラウザとは違うブラウザアプリから開くとデータは同期されないので、使うブラウザは統一しましょう。
画像の調達方法いろいろ
見ての通り頒布物の識別には表紙もしくはジャケットの画像を登録する必要があります。登録作業も基本的にはスマホで行うため、スマホ内に画像を用意する必要があります。思いついた方法は3つ。
- あらかじめPCから表紙画像をスマートフォンに同期しておく
- SNSなどにアップした画像を保存する
- カメラで現物の表紙画像を撮影する
1番目で準備しようとしたところ、実際にはすっかり忘れていて現場でできる2と3でとっさに対応。それでもアイコンとして判別できればよいので、ウェブ用サイズで十分でした。
購買者情報はOFFにできる
レジ入力時におおまかな購入者情報(性別・年齢)を入力でき、あとからどういう傾向だっただろうかと見返すときにも便利です。が、レジアプリとしては入力時に1工程増えるため、サークルによっては不要な場合もあると思います。
そんな場合はCONFIGの「購買者情報を記録する」からOFF(青がON、灰色がOFF)にできます。
複数人編集を使う時は最初に「現在のデータで相手を上書きする」を実行する
- まずはアイテムの登録を完了させてください。
- configから複数人編集のチェックをオンにし、共有キーと名前を入力して接続してください。
- 接続ボタンの下に現れる共有用リンクをコピーし相手に渡してください。相手側はそのリンクから名前を入れ、接続します。
- データを共有したい側から「相手へ共有」のボタンを押すことで、相手側にデータが送信されます。
- 以降、会計記録時に手元のデータがサーバーに送信され、おなじkeyを持っている人のデータが全て更新されます。
(同人会計レコーダー(仮)について – matsurai.log()より引用)
「データを共有したい側から「相手へ共有」のボタンを押す」 最初にこの説明を見逃してしまい、接続は完了したものの頒布物情報が相手に同期されず慌てたことが。
接続が完了したら、頒布物情報を登録した方がCONFIGの「現在のデータで相手を上書きする」を実行することで、相手にもデータが登録されます。なおこの時点で売り上げデータも含んでいれば、それらもすべて同期されます。
出力したCSVをスマホから持ち出す方法
CSV作成まではアプリ内で行えますが、そのファイルをPCなどに持ち込むにはひと手間必要です。
- Dropbox、Googleドライブ、Evernoteなどのクラウドアプリをあらかじめインストールしておく
- 出力後に「次の方法で開く」をタップする
- 使用したいサービスを選択し、CSVファイルをアップロードする(画面はiOS9のもの)
スマホに対応した別アプリを入れておく必要があるので、あらかじめアカウントとアプリを用意しておきましょう。
まとめ
使ってみて感じたのは、頒布物の種類が多く、清算を分ける必要のある合同誌も含んでいる当サークルでは非常に役にたったアプリです。入力が簡単で、複数購入された場合でもぱっと合計をだせるのは現場で非常に助かります。
一方で、ひっきりなしに人がきたり、レジ入力する工程がかえって手間になる規模のサークルだと、かえって混乱のもとになるかもしれないなと思いました(これはどのレジアプリにも共通した懸念ですが)
自分のところなら便利に使えるかも! と感じたなら、ぜひ一度お試しください。